☆プリデスティネーション(Predestination)
ロバート・A・ハインラインの『輪廻の蛇』が原作なんだけど、かなりちゃんと作ってあった。
イーサン・ホークはまあこんなもんだろうって、なにもかも知っているバーテンダーっていうか、主人公の最終形といった方がいいのか、とにかく中盤までは脇に徹してる。注目すべきは、半陰陽(ふたなり)を演じたサラ・スヌークで、処女だった彼女、性転換せざるをえなかった彼とかなり見事に演じてた。メイクが凄いんだね。
それにしても、イーサン・ホークが誘拐して捨てていった赤ん坊がふたなりで、孤児院で育ったサラ・スヌークが長じて夢やぶれ、性転換した後のサラ・スヌークと恋愛して生まれた子っていう輪廻の象徴の赤ん坊になるわけだけれども、赤ん坊を盗まれたサラ・スヌークは任務の途中で手ひどい火傷を負い、整形したことでイーサン・ホークになるっていう。
それで、イーサン・ホークはバイオリンケース型のタイムマシンを抱えてところどころの「時」に現れ、ぶれまくっている自分の生涯がそのままぶれないように矯正していくっていう使命を担っていくわけなんだけど、いや、このこむつかしい設定をそのまま物語にするっていうちからわざを見事に描いていたね。