2024-11-01から1ヶ月間の記事一覧

海峡

☆海峡(1982年 日本 142分) staff 原作/岩川隆『海峡』 監督/森谷司郎 製作/田中友幸、森岡道夫、田中寿一、森谷司郎 脚本/井手俊郎、森谷司郎 撮影/木村大作 美術/村木与四郎 衣裳/川崎健二 音楽/南こうせつ 主題歌/南こうせつ『友ありて』作詞:…

札幌オリンピック

◇札幌オリンピック(1972) 最初のカット、頭上からジャンプがフレーム・インしてきたときは、びっくりした。けど、佐藤勝の音楽はやけに明るくてイメージがきつすぎた。 笠谷幸生とジャネット・リンは懐かしかった。でも、これって当時を懐かしむ人間だけの…

日本の夜と霧

◇日本の夜と霧(1960) ほぼ舞台劇なんだけど、台詞の失敗くらいじゃNGにできないほど予算がなかったのか、それとも大島渚は「それがリアルなんだ」というんだろうか? で、戸浦六宏、哲学論争で気張る。 「歌や踊りがマルクス主義とどういう関係があるんだ…

にっぽん泥棒物語

◎にっぽん泥棒物語(1965) 植木照男、がんばったね。 昭和40年の作品だからカラー化が勧められてはいたもののまだまだ未熟なところもあったし製作費も嵩む頃なんだけど、この作品については、白黒が活きてる。松川事件のニュースがほんの一瞬挟み込まれると…

動乱

◇動乱(1980) 昭和7年4月仙台から始まる。姉の手紙で脱走する展開は『銃殺』とほぼ同じ。脱走兵の永島敏行の姉が吉永小百合なんだけど、身売りサせられそうな貧農にしては小綺麗だし、訛ってないのが気になるなあ。 そして皇道派の五一五事件。皇道派かと問…

帝銀事件 死刑囚

◎帝銀事件 死刑囚(1964) 大学の時に初見したんだけど、そのときの印象とさほど変わらない。 山本陽子が生き残りの女性事務員の役で、かわいすぎる。笹森礼子と出てくるんだけど、もちろん、ふたりとも綺麗なんだけどさ。 ま、それはさておき、熊井啓はこれ…

日本万国博(Expo'70)

◎日本万国博・Expo'70(1971) 日本万国博(Documentary Film "Japan World Exposition, Osaka 1970)というのが、正式なタイトルなのかどうかよくわからない。 クレジットでは『日本万国博』とだけ、ある。 各国の風物詩のような点描から大阪天理丘陵の整地…

絞殺

◎絞殺(1979) 「…やってしまおう。…おしまいだ」 西村晃が乙羽信子に言う。昭和五十年代の非行や家庭内暴力は戦後3番目の多さだったらしい。町内会や婦人会など、まわりの好奇な目に見られ、そのストレスに耐え切れず神経を病んでしまう。つらいだろうなあ…

積木くずし

△積木くずし(1983) いやまあ当時は不愉快で見る気もなかった映画なんだけど。非行と家庭内暴力はこの頃がピークだったのかもなあ…。 つか、なんだか、テレビサイズだなあ。 渡辺典子が不良に走る理由が後半にならないと見えてこないのと、前半はケンカした…

第五福竜丸

◇第五福竜丸(1959) 今見ると、なんか身が入らない。まあ、新藤兼人の特徴のひとつなんだろうけど、やっぱりどことなく明るい。宇野重吉のとぼけた風味がそう感じさせるのかもしれない。いや、本人はいたって大真面目に演技してるかも。ま、そんなことはい…

日本列島

◎日本列島(1965) 日本はアメリカに255の基地を提供している、ていうナレーションから始まる。これだけでも十分に衝撃的だ。 物語は、CIDのリミット曹長が殺されたことから始まる。死体が、否も応もなくアメリカに運ばれる。これに対して日本の警察は憤るが…

東京オリンピック

☆東京オリンピック(1964) オリンピックは人類の持っている夢のあらわれである。 という字幕が消えるや日輪のアップ、そしてそれと二重写しとなるように巨大な鉄球が映し出され、戦争に翻弄されたオリンピックの開催年が詠み上げられ、古めかしいビルが叩き…

戦争と人間

☆戦争と人間 第一部 運命の序曲(1970) 『満蒙はわが日本帝国の生命線である』 この映画の肝は奉勅命令だ。満鉄付属地外への出兵は天皇陛下のご命令がいる、すなわち奉勅命令の伝宣が必要だと、中谷一郎演じる河本大作は、芦田伸介演じる満洲伍代にいう。 …

銃殺

◎銃殺(1964) 菊の御紋を戴いた厳しい扉を開けて、丹波哲郎演じる相澤三郎の永田鉄山暗殺事件から始まり、この扉が丹波さんがやってくると閉じ、タイトルが被さり、また開くと、陸軍練兵場になってる。うわ、最初から合成じゃん。 青年将校の会議で、こう意…

二・二六事件 脱出

二・二六事件 脱出 冒頭、秘書官の三國連太郎が帰ってくると応接間にふたり、よく似た男がいる。首相ともうひとり。応援演説に立った代議士。これで、あ〜このふたりが入れ代わるのかと察しはつくんだけど、複雑なあらすじな分、これは良い伏線だ。庭を眺め…

戒厳令

◇戒厳令(1973) のっけから一柳慧の現代的な電子音楽、また広角的な奥行きを見せたコントラストの強い画面。蝉の声の降り注ぐ中で、十かぞえて下駄を脱いで短刀を引き抜いた朝日平吾(辻󠄀萬長)が安田善次郎の暗殺に走る。 画面の端に人物を置いて空虚な空…

日本暗殺秘録

◎日本暗殺秘録(1969) 製作はもちろん大川博なんだけど、製作補に俊藤浩滋のタイトルになってる。まあ、藤純子がヒロインだしね。 企画は天尾完次ひとり。すげえ。 のっけから黛敏郎の打楽器と男性コーラスにしてやられる。かっこええ。 有村次左衛門を演じ…