邦画1961~1970年
◎にっぽん泥棒物語(1965) 植木照男、がんばったね。 昭和40年の作品だからカラー化が勧められてはいたもののまだまだ未熟なところもあったし製作費も嵩む頃なんだけど、この作品については、白黒が活きてる。松川事件のニュースがほんの一瞬挟み込まれると…
◎帝銀事件 死刑囚(1964) 大学の時に初見したんだけど、そのときの印象とさほど変わらない。 山本陽子が生き残りの女性事務員の役で、かわいすぎる。笹森礼子と出てくるんだけど、もちろん、ふたりとも綺麗なんだけどさ。 ま、それはさておき、熊井啓はこれ…
☆東京オリンピック(1964) オリンピックは人類の持っている夢のあらわれである。 という字幕が消えるや日輪のアップ、そしてそれと二重写しとなるように巨大な鉄球が映し出され、戦争に翻弄されたオリンピックの開催年が詠み上げられ、古めかしいビルが叩き…
☆戦争と人間 第一部 運命の序曲(1970) 『満蒙はわが日本帝国の生命線である』 この映画の肝は奉勅命令だ。満鉄付属地外への出兵は天皇陛下のご命令がいる、すなわち奉勅命令の伝宣が必要だと、中谷一郎演じる河本大作は、芦田伸介演じる満洲伍代にいう。 …
◎銃殺(1964) 菊の御紋を戴いた厳しい扉を開けて、丹波哲郎演じる相澤三郎の永田鉄山暗殺事件から始まり、この扉が丹波さんがやってくると閉じ、タイトルが被さり、また開くと、陸軍練兵場になってる。うわ、最初から合成じゃん。 青年将校の会議で、こう意…
二・二六事件 脱出 冒頭、秘書官の三國連太郎が帰ってくると応接間にふたり、よく似た男がいる。首相ともうひとり。応援演説に立った代議士。これで、あ〜このふたりが入れ代わるのかと察しはつくんだけど、複雑なあらすじな分、これは良い伏線だ。庭を眺め…
◎日本暗殺秘録(1969) 製作はもちろん大川博なんだけど、製作補に俊藤浩滋のタイトルになってる。まあ、藤純子がヒロインだしね。 企画は天尾完次ひとり。すげえ。 のっけから黛敏郎の打楽器と男性コーラスにしてやられる。かっこええ。 有村次左衛門を演じ…
☆古都(1963) 遠景ではたしかにコンクリート造りのビルも見られるけど、手前の中京のあたりはもう町家の屋根がびっしり。このタイトルバックだけでも中村登と成島東一郎の天才ぶりが味わえる。合成も上手にできてるし、実に落ち着いた画面になってた。ラス…
△真白き富士の嶺(1963) 太宰治の『葉桜と魔笛』が原作といわれても、そんな短編があることすら知らなかった。吉永小百合、23歳。若いわ。白血病で逗子に住むと。なるほど、転地療養だね。 逗子が田舎なのはさておき、不治の病でちょっと心がねじくれた妹と…
◎赤毛 前半の途中で観るのをやめようかとおもったけど、我慢したら案外おもしろくなった。ていうか、たぶん40年ぶりくらいに観たんだけど、ラストシーンだけはよく憶えてたのに、ほかはいっさい忘れてた。つまり、後半がおもしろかったんだろうな。 三船さん…
◇新選組 まあ、三船敏郎命のぼくとしては、認めないわけにはいかないんだけど、大学の時に初めて観たときは「あ゛~っ」とがっくりしたものだが、今回はそれほどでもなかった。 ていうか、稲垣浩が脚本にからんでいるせいか、いやまじな話、上手にまとめられ…
◇待ち伏せ初めて観たのは大学2年生の時だった。ベータに録画してしばらく本棚に列べてたんだけど見直す気にはあんまりならなかった。稲垣浩も、三船敏郎との付き合いがあるし三船プロの作品だしってことから遺作を撮る羽目になっちゃったんだろうけど、なん…
◇銭形平次(1967) あらま、岡田茂の単独企画じゃないのね。ま、所長だったし、かかりきりは無理か。それにしても、八五郎は大辻伺郎だし、お静は水野久美だし、このあたりは映画版ってことで張り込んだんだね。ま、箕輪の万七はおんなじコンビだけど、遠藤さ…
◇座頭市と用心棒 凄いなとおもったのは、いつもと雰囲気のちがう伊福部昭の主題曲が流れたとおもったら、なんとまあ、座頭市が3年ぶりに訪れた宿場の鍛冶屋で常田冨士夫がなまくらを打ってる音とリズムがおんなじだった。岡本喜八の頼みか伊福部昭の発想かは…
◇キューポラのある街 カメラがええな~とおもってたら、姫田真佐久だった。さすがだな。吉永さん、勉強してくるとうそついてパチンコ屋のアルバイトに出かけるとき、ズボン脱いでスカートに履き替えるんだけど、ジミーズが透けてパンツがわかる。百恵ちゃん…
◎男はつらいよ 望郷篇(1970年 日本 88分) 監督/山田洋次 音楽/山本直純 出演/渥美清 倍賞千恵子 前田吟 笠智衆 三崎千恵子 太宰久雄 井川比佐志 長山藍子 ◎第5作 1970年8月25日 ようやく、山田洋次の寅さんシリーズの始まった観がある。 ちぐはぐだった…
▽新・男はつらいよ(1970年 日本 92分) 監督/小林俊一 音楽/山本直純 出演/渥美清 倍賞千恵子 前田吟 笠智衆 三崎千恵子 太宰久雄 財津一郎 栗原小巻 ▽第4作 1970年2月27日 やけに品がないな~とおもい、なんともテレビ的な展開じゃないかともおもって、…
△男はつらいよ フーテンの寅(1970年 日本 90分) 監督/森崎東 音楽/山本直純 出演/渥美清 倍賞千恵子 前田吟 笠智衆 三崎千恵子 森川信 新珠三千代 香川美子 △第3作 1970年1月15日 出だしに、悠木千帆こと樹木希林が出てる。それも渥美清とツーショット…
◇男はつらいよ(1969年 日本 91分) 監督/山田洋次 音楽/山本直純 出演/渥美清 倍賞千恵子 前田吟 森川信 笠智衆 志村喬 津坂匡章 広川太一郎 光本幸子 ◇第1作 1969年8月27日 ぼくたちが、たぶん、このシリーズを現役で観ているいちばん若い世代だろう。 …
◇大殺陣(1964年 日本 118分) 監督/工藤栄一 音楽/鈴木静一 出演/里見浩太朗 平幹二朗 大木実 大友柳太郎 三島ゆり子 宗方奈美 稲葉義男 山本麟一 ◇新吉原の戦い 細かいところは変えてみたものの、結局は『十三人の刺客』の亜流に留まらざるを得ないのが…
◇おさな妻(1970年 日本 86分) 監督/臼坂礼次郎 音楽/北村和夫 出演/関根恵子 新克利 坪内ミキ子 渡辺美佐子 ◇ダイニチ映配配給 ダイニチ映配は大映と日活の作品を配給するための会社だったんだけど、この会社で配給されたものはきわめて珍しい。だから…
◎肉弾(1968年 日本 116分) 監督・脚本/岡本喜八 音楽/佐藤勝 出演/寺田農 大谷直子 天本英世 伊藤雄之助 高橋悦史 中谷一郎 田中邦衛 小沢昭一 笠智衆 ◎バッカヤロー! この叫びは「ばっかやろう」ではなく「バッカヤロー!」なんだとおもう。個性とい…
△九ちゃんのでっかい夢(1967年 日本 89分) 監督・脚本 山田洋次 出演 坂本九、倍賞千恵子、竹脇無我、九重佑三子、犬塚弘、有島一郎、ジェリー藤尾、大泉晃、渡辺篤 △てんぷくトリオも出てる 幸せな時代だったんだな~っておもった。 まあ、設定として、自…
△源氏九郎颯爽記 秘剣揚羽の蝶(1962年 日本 109分) 監督・脚色 伊藤大輔 △最後の白塗り? 一心太助が白塗りかどうかは微妙なところだけど、少なくとも美剣士ではないわけで、そういうことからいうと、もしかしたら錦之助にとっては最後の白塗りだったんじゃ…
☆飢餓海峡(1965年 日本 183分) 監督 内田吐夢 ☆洞爺丸海難事故と岩内大火 モデルになったのは小題のふたつの事件なんだけど、これはどちらも昭和29年9月26日の洞爺丸台風(台風15号)の日に起こった。その偶然をもとに水上勉が書き上げたのが原作で、これ…
◎十一人の侍(1967年 日本 100分) 英題 Eleven Samurai staff 企画/岡田茂、天尾完次 監督/工藤栄一 脚本/田坂啓、国弘威雄、鈴木則文 撮影/吉田貞次 美術/塚本隆治 音楽/伊福部昭 cast 夏八木勲 宮園純子 里見浩太朗 大川栄子 西村晃 近藤正臣 大友…
◇喜劇一発大必勝(1969年 日本 92分) staff 原作/藤原審爾『三文大将』 監督/山田洋次 脚本/森崎東、山田洋次 撮影/高羽哲夫 美術/梅田千代夫 音楽/佐藤勝 cast ハナ肇 倍賞千恵子 谷啓 佐藤蛾次郎 犬塚弘 武智豊子 左卜全 田武謙三 佐山俊二 ◇半世紀…
△ゴジラ・ミニラ・ガバラ オール怪獣大進撃(1969年 日本 70分) 英題 All Monsters Attack staff 監督/本多猪四郎 脚本/関沢新一 撮影/富岡素敬 美術/北猛夫 特技監修/円谷英二 音楽/宮内國郎 主題歌/佐々木梨里、東京ちびっこ合唱団 『怪獣マーチ』…
◇怪獣総進撃(1968年 日本 89分) 英題 Operation Monsterland/Destroy All Monsters staff 監督/本多猪四郎 特技監修/円谷英二 特技監督/有川貞昌 脚本/馬淵薫(木村武)、本多猪四郎 撮影/完倉泰一 美術/北猛夫 音楽/伊福部昭 cast 久保明 小林夕…
△怪獣島の決戦 ゴジラの息子(1967年 日本 86分) 英題 Son of Godzilla staff 監督/福田純 特技監修/円谷英二 特技監督/有川貞昌 脚本/関沢新一、斯波一絵 撮影/山田一夫 美術/北猛夫 音楽/佐藤勝 cast 高島忠夫 久保明 前田美波里 平田昭彦 土屋嘉…